レザーカービングとは?
レザーカービングって?
こんにちは!革工芸作家 ichion の taQ-拓- です。
今日は僕がやってるレザーカービングについて、本当に触りの部分についてご説明します。
触りの部分と言ったのは、アメリカの伝統工芸として確立されているものですし、日本国内でも二度の(局地的な?)ブームを経て偉大な作家さんも各世代に沢山いらっしゃいますし、専門の書籍も多数あるので、比較的異端の作家の僕としてはあまり出過ぎた真似はすべきではないかと…(笑)
あくまで、自身の作品を知って頂くための入り口として簡単にご説明します。
イベントに出すと、自分がかつてそうであったように「え?これどうやってやってるの?」って反応の方は多いのでね、まだまだ知る人ぞ知る分野なのだろうと感じています。
だからこそ、魅力を伝えるための「余白」もたくさんあるって事ですね♪
牛肉の副産物。そして皮から革へ。。。
太古の昔から人類は身近な動物の様々な部分を生活のための道具として加工して来ましたが、現代でもそれは続いています。
家畜を食肉に加工するときに出る皮を綺麗にして防腐処理し柔軟性を保てるようにするなどして素材として使えるように加工します。これを鞣す(なめす)といい、よく「皮」を「革」にする工程と言われます。
なめし方には大きく2種類あり、昔ながらの植物性タンニンを使ったなめしと化学薬品を使ったクロムなめしがあります。ざっくり言うと、タンニンなめしの革は厚く固い革です。クロムなめしは薄く柔らかい革です。
なめし加工の手間の少ないクロムなめしは服や袋物をはじめ小物などにも幅広く使われます。
そして、そんな革の種類のうち、レザーカービングにはタンニンなめしの牛革が使われます。
タンニンなめしの革の持つ可塑性(かそせい)を利用
可塑性(かそせい)、、、。普段まず聞かない言葉だと思います。
要は、形を変えることができるということです。力を加えて変形させることができ、その力を加えるのをやめても変形させた形が保たれる性質ってことですね。
タンニンなめしの革のこの性質を利用して模様などを打刻するのがレザーカービングです。
アメリカで馬具に滑り止めのために凹凸を付けたのが始まりで、次第に装飾模様へと発展していったそうです。
打刻は、先端が様々な形状の刻印を使い分けそれらを左手に持ち、右手に持ったモウルと呼ばれる槌で刻印を打って行います。
だから便宜上、革彫刻などと言ったりしますが削りカスは出ないんです。表面を叩き潰してるって感じですね。
この時、潰れて圧縮されたタンニンなめしの表面が色濃くなり、凹凸と共に陰影の効果を生み出します。
そんなカービング作品達の表情に魅せられた経緯なんかも後日紹介させて頂けたらと思います◎
そして、打刻の細かい工程などについてもまたの機会に紹介します! お読み頂きありがとうございます♪
‘20.07.27. taQ
関連情報
レザークラフト・レザーカービングSHOP │ ichion
「ichion」では、革工芸作家 taQ-拓- が革彫刻や独自の装飾を施したレザーアート作品を
手彫り・手染め・手縫いで制作しています。普段使いの革小物から、楽器関連のアイテム、古今東西の美術のエッセンスを取り入れたアート装飾など、どれも個性的で存在感ある一生モノです。
オーダー制作も承りますので、お気軽にご相談ください。
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